2018年3月アーカイブ

感動した本&映画①松本清張編

私は本が好きで、暇さえあれば本屋に立ち寄る「立ち読みマニア」である。

どんな本でも読めば、それは血となり、肉となって心や体に宿る。実に本屋は「知の泉」である。

基本的に本であればなんでも読むが、好きなジャンルになるとノンフィクションであったり、それに近い

モデル小説だったりする。その中で、自分に一番フィットする作家と言えば、「松本清張」である。

実にポピュラーな作家ではあるが、実に奥が深い。その作品の相当数が映画やテレビドラマになっている

事を考えると、潜在的なファンは相当数いるだろう。私も本を読み、それを自分の頭で映像化して、

いろいろと楽しむわけだが、清張の作品は映画でもかなりのインパクトがある。


そこで、映画やドラマになった作品で自分なりのランキングを作ってみた。

1.砂の器
 「ズーズー弁」と「らい病(ハンセン病)」、そして「伊勢の映画館」が
 殺人事件のポイントとなっていく。丹波哲郎の演技が最高。

2.点と線
 汚職事件のキーマンを九州の香椎で殺害し、自らは北海道に出張していたと
 アリバイを主張する犯人。東京駅の4分間のトリックやその当時としては珍しかった
 飛行機を使っての犯行など、構成力を感じる名作の一つ。

3.ゼロの焦点
 何回見ても飽きないモノクロ映画だが、北陸の冬の厳しさが伝わってくる
 不思議。「ヤセの断崖」の迫力は、このブログでもお伝え済み。

4.疑惑
 北陸富山の毒婦「鬼塚球磨子」の保険金殺人事件をテーマにした物語。
 なぜか死刑になってもおかしくない被告が無罪になる最後。岩下志麻演じる国選弁護人の
 佐原律子の裁判の進め方がすごい!

5.鬼畜
 どうしようもない身勝手な父親の尻ぬぐいのために、次々と犠牲になっていく子供たち。
 崖から突き落とされ一命を取り止めた長男利一は、それでも父親をかばい続けた。

6.10万分の1の偶然
 高速道路で起きた交通事故を誰よりも早く現場に駆け付け、スクープしたアマチュアカメラマン。
 新聞社のニュース写真最高賞を受賞したその写真は、実はカメラマンによる自作自演の事故だったのである。

7.波の塔
 新米の検事とその検事が担当する事件のキーマンの妻が出来てしまった物語。
 若かりし頃の津川雅彦と有馬稲子が美しい。

8.黒の奔流(本のタイトルは「種族同盟」)
 出世を企むビンボー弁護士矢野武が4の「疑惑」と同じく、推定有罪の被告(貝塚藤江)を無罪に
 導き脚光を浴び、大物弁護士の娘を娶っていく。しかし、無罪になった藤江は矢野弁護士に思慕し、
 「娘と結婚をするなら自分が真犯人であることを告白する」と矢野弁護士を脅した。
 矢野は次第に藤江に殺意を抱き、富士の見える西湖の畔で決行するが、藤江もそれを覚悟し、
 二人は湖の奥深くへ消えていった。

9.わるいやつら
 女狂いで経営に無頓着な二代目病院長(医師)の没落していく物語。きっかけはある殺人事件だった。

10.内海の輪(本のタイトルは「霧笛の町」)
 やがて助教授となる考古学者の江村と元兄嫁(西田美奈子)との不倫物語。考古学の権威である学長候補の娘と結婚した江村は
 この不倫がばれてしまうとすべてを失うこととなるため、美奈子を殺害することを考えた。後は、8.黒の奔流と同じ末路を辿る。

とにかく、清張の取材力には甚だ脱帽する限りだ。ほとんど、ノンフィクションのような構成に読むほど(見るほど)に

飲み込まれていく。だからこそ、読書は面白い。

マサル的クルマ考③「ランボルギーニ」

昨年7月、「駐車場を借りたい」という1本の電話がありました。空き駐車場を求めるお客様からの電話はよくあることなので、

特に気にも留めませんでしたが、条件として「ガレージのある駐車場で、電源コンセントのあるところ」という前提でした。

そのような駐車場は数が限られており、探索するだけでも時間が掛かりそうでしたが、知り合いに

事務所を改装したばかりの方がいて、ガレージもお持ちだったことを思い出し、打診をしたところOKを頂きました。

その後、借主様と詳細を詰めるにあたり、車種を確認する必要がありました。

先ほどの借受条件があったので、私自身「クラッシックカー(ビンテージ)」みたいなもの、を想像していました。

蓋を開けてみると、言いづらそうなお客様の口から「ランボルギーニ」という名前が出てきました。

「え、あのランボルギーニ?」。聞いただけで高級スポーツ車とわかるそのブランド。

まさか、山口に乗ってる人がいるだけで、とても不思議な感じがしました。

お客様のお話では、新車を購入したものの、専用のガレージが間に合わず、それができるまでの仮保管場所としての

ご利用との事でした。入庫は登録の関係で8月中旬から下旬との事でした。


私たちの世代では「ランボルギーニカウンタックLP400」という車があまりにも有名でした。

近未来的なデザイン、特に前に跳ね上げるドア(シザーズドア)が代名詞となって、

とても憧れる名車の一つでした。※今でもこのドアは変わっていません。


ちなみに今のランボルギーニは

1.ランボルギーニ ウラカン       3000万円

2.ランボルギーニ アヴェンタドール  4500万円  

この2つが代表的な車種となっています。

お客様のお車は「アヴェンタドール」でした。この車、

車両価格はまさに「家が建つ」ほどのもの。※ウラカンでも十分建ちます。

庶民(私も含め)には到底理解できないものとなっています。


さてさて、貸主様にもご了解を頂き、いよいよ入庫の日が来ました。

当日は、お客様が広島で引渡しを受け、その足で山陽道に乗り、山口へ向かわれました。

私は山口市内某所でお客様をお待ちし、駐車場へご案内する手はずとなっていました。

お客様からは途中、携帯へ通過場所の連絡が入り、特に問題なく山口へ入られるご様子。

そうこうする内に、ついにその車が目の前に現れました。

重低音で奥深いエンジン音と燃料とエンジンが発する独特なニオイがあたりを包みます。

生まれて初めて「生」を目にする衝撃!なにか見てはいけないものを見て、早くガレージに

ご案内しないと大変な気がしました。

無事入庫が完了し、「ランボルギーニ」はガレージの中に消えていきました。

お客様はそれから、先月の退去まで1回も出庫することなく、留め置かれておられました。

因みにコンセントはバッテリー上がりを防ぐために常につなげておく必要があったとの事。

通常の不動産取引では、このような感動と衝撃を受けることがほとんどないので、

本当にいい経験をさせ頂きました。ありがとうございました。