2015年9月アーカイブ

日本の景気と世界の景気②

FRB(※1)のFOMC(※2)が開催され、今年一番の注目であった「金利引き上げ」が見送られました。

米国経済は順調に回復しているものの、「海外情勢をめぐる不透明性の増大を踏まえ、FOMCは待つことが適切と判断した」

と述べ、次のような理由から現時点では「据え置き」と判断されたようです。

 

1.米国内のインフレ率が目標に至っていない(2%、原油下落・ドル高が影響?)

2.中国経済の停滞(失速?)

3.新興国の成長鈍化(停滞、失速?)

4.金融市場の混乱(各国の株価下落、新興国の通貨安)

 

これって、日本にも十分当てはまりますよね。

 

1.日本も原発代替エネルギーである原油・天然ガスの輸入急増などで、本来、

 消費者物価が上がるはずが、原油価格の下落(暴落?すでに昨年の1/2以下)に

 より、想定以下の伸びにとどまっています。※インフレが予測通りに進行していない。

2.貿易相手国として、中国は輸出先で第2位(米国に次ぎ)、輸入先では第1位の

 関係にあります。昔は「アメリカが風邪を引くと日本も」と言われていましたが、今は

 中国なのでしょうか。

3.世界の工場と言われた中国も人件費の高騰や国の法的安定性等の問題 (どこかで聞いた!?)

 により、東南アジアシフトが進んでいます。※インドネシア・マレーシアなど

 ところが、そのアジア新興各国では、米国の利上げを見越した「通貨安」が進んでいます。

4.日本の通貨安はデフレ対策として一定の効果が出ています。しかし、そのプラスを帳消しに

 しかねないのが「株安」です。日本の景気が持続的でかつそれを担保する「成長戦略」が

 あるならば、決して世界同時株安に影響されることはないと思うのですが・・・。

 

投資はとても大切なものですが、タイミングを見誤ると大きな損をしてしまいます。

株については米国の利上げの方向性が決まるまで、安易な底値買いはリスク大です。

むしろ、ボラテリティ(※3)の点でいけば、「外貨預金」や「FX」(※4)のほうが

利ザヤどりとしては面白いかもしれません。   (マサル)

 

※1.米連邦準備制度理事会(アメリカの中央銀行)

※2.連邦公開市場委員会:金融政策を決定する委員会

※3.資産(投資)価格の変動幅

※4.外国為替証拠金取引(株の信用取引に当たる、レバレッジによる投資法)

※注意:本ブログはあくまで「情報の提供」および「教育・学習」を目的としたものであり、

    著者独自の調査・見解・経験に基づいて執筆されています。したがって、本ブログが

    いかなる成否の判断を保証するものではなく、本ブログを参考にした種々の判断は必ず

    ご自身の責任において行ってください。著者はいかなる責任も負いかねます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本の話

一昨年、機会に恵まれ本を出版しました。「成功する大家さんは新築賃貸住宅を選ぶ《不動産投資の"新"王道》」(宝島社刊)というタイトルです。

そのままズバリ、新築賃貸住宅のメリットを「収益・税制・社会的使命」の点から解説した不動産投資のハウツー本です。

いまだに、アマゾンで50位~300位くらいの間を行ったり来たりしています。 (ビジネス・経済 :不動産投資部門/ 投資・金融・会社経営:不動産投資部門)

もうすぐ2年になるのに、いまだに売れているところをみると、それなりの内容だったのかなと自画自賛しています(笑)。

 

実はこの本、共著者である不動産オーナー「大川内拓生」さんと在京の出版プロデューサーH氏のご協力なくしては発行できませんでした。

なにせ、企画から企画(商業)出版される確率は5万分の1とか1%~0.数パーセントと言われていますから・・・。

私の知人には、A.自費で出版する人 B.自力で企画(商業)出版する人 C.出版社から声のかかる人など、いろいろなタイプの著者がいます。

 

Aは、誰でもできる一番ハードルの低い方法(コストは一番高い)。

Bは、一定のノウハウと物語性があればチャレンジできる方法(確率は上記のとおり:コストわずか)

Cは、一番楽に出版できかつ収益が取れる方法(但し、出版社から声のかかる知名度・影響力のある人でないと無理!:コストは創作にかかる時間のみ)

 

ジャンル的には私たちのように「ハウツー本」が一番発行しやすいです。

(つまり、マニアがいるまたは衝動買いを期待できるから・・・私の主観)

逆に純文学などは商業ベースに乗りにくく、賞でも取らない限り出版にこぎつけるのは"至難の業"になります。

 

実は今、この純文学の企画(商業)出版にチャレンジしています。著者は私ではありません(笑)。書籍カバー.jpg

私が培ったノウハウでこのハードルにトライしているところです。まだ、著者の了解を得ていないので、作品名は明らかにできませんが、

いつかこのブログで経過および結果をご報告できればと思います。(マサル)

 

日本の景気と世界の景気①

日本の株が下がってますね・・・。この傾向、実は日本だけではなく、アジアも欧州も米国もそうです。

つまり、世界的に株が安くなってきています。

原因は、

1.中国経済の減速

2.米国の金融緩和の終了(利上げ)

と言われています。もし、そうであるならば、しばらく日本株は上昇できないかも

しれません。

中国経済は、誰がどう見ても減速しているのが明らかですが、政府がそれを

認めていません。先日も「地価が全国的にほとんどの地点で上昇している」とか

「今年の成長率は7%」などと浮世離れした政府発表が続いています。

まるで、昔の「大本営発表」のようです。

経済大国である中国経済の減速は、日本のみならず欧州や米国にまで波及します。(すでにしている?)

一方、米国経済は、リーマンショックから完全に立ち直り、今までFRB(※1)の金融緩和によって

支えられてきた米国経済も、ようやく自立できるようになりました。

中国が沈んで、米国が昇る。一見、経済がうまく回転しているように感じます。

ところが、FRBが金融緩和を年内に終了(利上げ)すると喧伝しています。

利上げをすると、世界にばらまかれたドルは本国に逆流します。

それによって、各国の株式市場や債券市場に出回ったドル資金が一斉に引き揚げられ、

各国相場の一層の下落要因となります。

日本はせっかく最高値(1989年12月29日 、終値38915円)の

半分程度(2万952円2015年6月24日)に戻したのに、

しばらくはこの水準にすら戻すことは厳しいと見ています。

GPIF(※2)や日本郵政資金が投入される「官製相場」も期待されますが、

中国の失敗(このたびの下落局面で、中国政府はさまざまな施策《官製相場》を講じたものの、

結局、株価は元に戻らず、投じられた約80兆円が失われたとされています。)があるために

容易には投下できないかもしれません。

ところで、いつも感じることですが、日本と米国の株価の差は一体どこにあるのでしょう。

今日の株価で比較しても(9/8時点)

日本 1万7556円

米国1万6102ドル(円換算:191万6138円)

なんと、109倍です。ちなみにGDPは3.77倍です。米国株が過去最高値水準にあるにしても、

この差は"あり得ない"です。

このことこそが日本の長期低迷の大きな原因なのです・・・。(つづく)

※1.FRB/米連邦準備制度理事会(アメリカの中央銀行)

※2.GPIF/年金積立金管理運用独立行政法人